今年は広島、長崎は被爆80周年であるとともに、ベトナムも南部解放・南北統一50周年、ベトナム建国(独立)80周年であり、両国にとっても大きな節目の年となります。当協会とも深い関係のあるホーチミン市越日友好協会が、高校生を中心とする「平和使節団」を企画し、長崎を経て7月15日~17日に広島を訪問しました。訪問団にはベトナムの高校生をはじめ、引率の教師、ホーチミン市の戦争証跡博物館の副館長やスタッフ、ホーチミン市越日友好協会副会長であるPHAN THI MINH NGUYET(ファン・ティ・ミン・グゥエト)さんを団長として総勢36名の使節団でした。
高校生たちは慰霊碑を参拝した後、佐々木貞子さんを悼み、べトナムで皆で折ってきた千羽鶴を「原爆の子の像」に供え、祈りを捧げました。その後資料館を見学し、広島ベトナム協会の正会員(体調不良のため6月末で退会)であり、被団協の理事である大中伸一さんの被爆二世としての講話を聴く機会を持ちました。ベトナムと日本との国の違いはありますが、多くの犠牲の中で今の我々があることと、今後の平和を若者が創り上げていくことを学ぶ機会となりました。その後高校生は広島ベトナム協会の正会員の勤務している市内の私立高校を訪問し、お互いペアになって英語でおしゃべりをし、ゲームなどで楽しく交流しました。その間、引率のベトナムの高校の校長、教員と受け入れてくれた私立高校の校長の懇談で、今後の相互協力の中で、交換留学などの取り組みができれば等の積極的な意見が出ていました。
また、高校生たちが私立高校での交流を図っている間に、ホーチミン市戦争証跡博物館副館長とスタッフは、広島平和記念資料館館長との表敬訪問が実現し、お互いの目的や世界平和に向けて、博物館と資料館が情報を共有しながら今後の展開についての可能性を考えていくことを確認しました。
今回のプロクラムはホーチミン市と友好姉妹都市である長崎市の招待で長崎市に入り、その後広島を訪れました。広島での受け入れに関しては日本ベトナム友好協会広島支部が対応し、当協会も共に準備段階から参加しました。短い期間でありましたが、高校生たちは元気に旅立っていきました。
今後の若者たちの交流に大きな可能性を感じることのできる訪問でした。